神宮前から少し離れた小さな工房。溶接の火花が、朝の光と混ざる。「まずは測ることから」と岡田さんは言う。身長、柔軟性、乗り方の癖。数字と感覚のあいだに、一台のモーターサイクルが生まれる。
測る——沈黙を聴く設計
フィッティングは会話だ。言葉にならない違和感を、シートとハンドルの角度へ翻訳する。「良いシャーシは、乗り手の沈黙を聴く」。その一句が、工房の空気を決めていた。
良いシャーシは、乗り手の沈黙を聴く。
チタンとカーボン——素材の詩
チタンのビードは詩に近い。カーボンカウルの積層は設計図に近い。どちらも近道がない。治具の精度と、手の温度が品質を分ける。TriumphやNortonのクラシック精神も、現代の素材と対話する。
フォークは路面との最初の会話
インタビューの終わりに、彼はフロントフォークを手に取った。「ここが、路面との最初の会話だ」。ステアリングヘッドが舵の起点なら、フォークは通訳である。エンジンの応答とシャーシの剛性が、一台の意志になる。
シャーシは部品ではない。意志の骨格だ。
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